魔法使いの一日
「ありがとうおねーちゃん! もう一人で大丈夫だよ!」


女の子は私から手を離しニコニコと笑いながら言う。


「そう? でもお母さんも見つかったし、大丈夫だよね。それじゃ、今度は気をつけるんだよ」

「うん! おねーちゃん、本当にありがとう!」


女の子はバイバーイ、と手を振りながら母親の元へと帰っていった。私も笑顔で手を振り返し、


「さーて! それじゃ、いきますか!」


気合をいれ、いざスーパーという名の戦場へと向かったのだった。













亜梨珠がスーパーへと向かった後、その女の子は母親の傍に立ち、ただ亜梨珠を見つめていた。


「ふーん、あれが藤代亜梨珠ですか~」


その女の子の口からは、さっきとはまったく違う声のトーン、口調で喋っていた。






< 97 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop