甘いペットは男と化す
 
「さて、寝よっか」


いつもの時間になって、パタンとパソコンを閉じると、ケイはソファーへと向かって行く。

最近、同じベッドで寝ることが当たり前になっていたので、その行動に不思議に思った。


「ケイ?今日はソファーで寝るの?」


その言葉に、ケイはゆっくりと振り向く。

振り返ったと同時に合わさる視線に、なぜだかドキンとした。



「うん。
 今日は……何もしないでいる自信ないから」


「え……?」



突然の発言に、一瞬意味が分からなくてただ首をかしげた。

そんなあたしに、ケイが再びあたしの前に近づいてくる。


「アカリ」
「な、に……?」


じっと見下ろしてくるその瞳は、いつもと確実に様子が違って
ペットのような可愛い瞳じゃない。

女の人を虜にしてしまいそうな、色気を満ちた男の瞳だった。




「今日、アカリを抱いていい?」

 
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