甘いペットは男と化す
「着いたよ」
「んー」
電車に乗ること20分。
淳史の住むマンションに着いた。
淳史の住むマンションは、男の一人暮らしということもあってオートロックはついていなく、そのまま中に入って行ける。
少しだけ久しぶりの感じのするエレベーターの中に踏み込むと、いつもの5Fのボタンを押した。
「なんて言うつもりなの?彼に」
「ん?アカリと一緒に住みたいって」
「あのねぇ……。誤解を生むような発言だけはやめてよ」
「大丈夫」
いったい、何を根拠に大丈夫と言えるのか……。
そもそも、淳史が承諾する前に、あたしの許可はどこへ行ったんだ……と今さらながらに気づいたけど、多分淳史が了承するわけもないと思ったので、あとは淳史に任せようと思った。
そんなことを思っているうちに、エレベーターは5階に到着。
あたしが先に降りて、あとからケイがついてきた。
ピンポーン……
合鍵は持っているけど、とりあえずチャイムを鳴らす。
突然訪れたから、多分淳史もビックリするだろう。
そんな思いだった。
「はーい」
だけど、ドアの向こうから聞こえた声に、あたしは声を失った。