甘いペットは男と化す
 
「どちらさまですか?」


ガチャリとドアが開いたと同時に、その先に現れた人物。

現れるのは、もう見慣れたはずの、少し体格のいい長身の男かと思った。


だけど……


「えっと……」


何も答えないあたしに、戸惑う瞳。
あたしよりも背の低い華奢な体つき。

どう考えても、男の人じゃないわけで……



「あっちゃんの……お知り合いの方ですか?」



そこに現れた彼女は、少しだけ敵意の込めた瞳であたしを見上げた。


少しの敵意で済んだのは、きっとあたしの後ろに、ケイの姿があったから。
だからケイ含んでの知り合いだと思い、それは何かの輪の繋がりだと思わせるからで……。



「由梨?誰か来たの?」



ようやく、その後ろから聞き覚えのある声。

おそらくシャワーを浴びてきたであろう淳史が、ひょっこりと顔をのぞかせた。
 
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