甘いペットは男と化す
あまりにも衝撃的な言葉に、返す言葉も見つからない。
この子、何言ってんの?
「ちょっと電車なくなっちゃってさ。今晩だけでいいから」
「……無理に決まってんでしょ。電車ないんだったらタクシーで帰りなよ」
「お金ないし」
「知るか!」と心の中で叫びながら、静かに彼が掴んでいる手をほどいた。
「いい?あたしとあなたはただの他人でしょ?
それをいきなり家に泊めるなんて無理に決まってんじゃん」
冷静に一言だけ言い返すと、今度こそ彼の横を通り過ぎた。
マンションのエントランスで、オートロックの番号を押す。
認識したドアが開き、一歩中に入り込もうとすると……
「じゃあ、これで部屋に入り込むしかないかな」
後ろから聞こえた声に、何のことかと思って振り返ると……
「なっ…!!」
彼の指先に、光るシルバーの鍵。
それは間違いなく……
あたしの部屋の合鍵だった。