甘いペットは男と化す
 
矢代さんは、本当にストレートに気持ちをぶつけてきて、
あの時のケイとは違う真っ直ぐさ。

大人の気遣いを保ちながら、攻めるときには攻めてくる。

だからたまに、キュンとせずにはいられなくなるのだ。



「矢代さんはうまいですね」

「何が?」

「攻め方が」

「そう?」


そんな意地悪な言葉にも、軽く笑うだけ。

大人の余裕。


「そういえば、北島さんって映画好き?」
「え?まあ……それなりには……」


と言っても、ここ最近は全然見に行っていない。

淳史と付き合っていたころは、話題になっている映画をたまに見に行ったりしていたけど、独り身になってからは行く機会もなくなった。


「俺、かなりの映画好きでさ。
 よかったら今度、何か一緒に見に行かない?」

「あ……はい」


さらりとデートの誘い。

思わず頷いてしまった。
 
< 171 / 347 >

この作品をシェア

pagetop