甘いペットは男と化す
「好きなの?」
「え?」
「矢代さんのこと」
ざわざわと響く喧騒の中、あたしの耳にだけ聞こえる質問。
どう応えようか悩んで、ケイへと振り返った。
そこには、同じようにあたしへと振り返っているケイがいて、バチッと目が合ってしまった。
「好きなの?」
もう一度聞かれた問いかけ。
微笑も意地悪な瞳もなく、じっと見つめてくる。
「……好きじゃ…ない」
本当は「関係ない」とか「好きかもね」なんて答えるつもりだったのに、つい本心で応えてしまった。
その答えに、ケイは満足したように微笑むと、
「そうだよね。
アンタが好きなのは俺だもんね」
「なっ……」
当たり前のように言ってきた。