甘いペットは男と化す
「ちょ、先輩っ……!!」
「え?」
会議室から出たところで、一緒の受付をやっている菅野ちゃんがあたしのもとへ駆けてきた。
ってか、二人してフロントから離れちゃダメじゃん。
「今!めっちゃ美形な人がっ!!」
「は?」
「絵に描いたような美形の人が来てて、朱里先輩に用があるって!!」
……まさか…。
絵に描いたような美形な人、と聞いて思いつくのは、一人しかいない。
いや、でもなんで……。
彼にはあたしの勤め先まで言ってないのに……。
慌てて、彼の待つフロントまで駆けていくと、
「アカリっ!」
「ケイ……」
案の定、そこにはケイの姿があった。