婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
「ああ 芹香さんね 圭司の高校の時の彼女なの…。芹香さんの留学が原因で別れちゃたみたいだけど…。」
「はあ? 何だよそれ…。お前知ってたのかよ…?」
松井くんが呆れたように言った。
「うん 話だけ聞いてて、会ったのは昨日が初めてだったけどね…。」
「それで 昨日あんなに見せつけられて何とも思わなかったのかよ?」
「そりゃ 私だって嫌だったよ…。でも 圭司が芹香さんとは何もないって言うし、それに、
不安なのはお互い様だって言うから…」
「は? お互い様って何が…?」
「いや だから…」
口ごもる私に、松井くんがイライラしている。
でも 松井くんが私に気があるからなんて言っていいものだろうか…。
「早く言えよ!」
「いや あのね 圭司が言うにはだけど、松井くんが私に気があるから、嫌な思いしてるのはお互い様であって、これ以上、疑り合うのは辞めて、お互いを信じようって…。」
「なにその理屈…。お前 そんなの真に受けたの…?」
「えっ… 違うの…?」
「俺 お前のことそんな風に見てないし、お前の旦那 自分が都合悪いから、俺を持ち出して話すり替えたんだよ…! そんなこともわかんねーの? ホントおめでたい奴だな。」