婚約者はホスト!?②~愛が試される時~

「えっ! 松井くん…?」

私は、驚いた顔で松井くんを見た。
いくら何でも、そんなこと…。

「ほかに方法ないだろ! 」

松井くんに言われて、私は渋々頷いた。
確かにこのピンチを切り抜けるには、こうする以外にない。

「そうだな じゃあ 松井くんと瀬崎さんにやってもらおう! 父親役は私がやる!」

室長の一声で、ブライダル室の全員が一斉に席を立った…。

「何してるの 瀬崎さん 早くヘアメイクして衣装室行かないと…!」

「は はい…。」

紺野さんに腕を取られて、私はブライダル室を出た。


「大丈夫? 昨日のリハーサル通りにやればいいからね…。」

スタンバイしている私に紺野さんが耳打ちする。

私はコクリと頷いて、中庭に作ったチャペルを見渡した。
すでに、席はカップルのお客様で埋め尽くされていた…。

そして、その会場を囲むように一般のお客様たちが大勢集まっていた。
私は圭司の姿を探した。
良かった。
来ていない…。
代役とはいえ、もう圭司には、松井くんと並んぶウエディングドレス姿の私など見せたくはなかったから…。

いよいよ 松井くんが祭壇の前にスタンバイした。

「瀬崎さん もっと リラックスして笑いなさい…。ここに来ているお客様に花嫁の幸せそうな顔を見せるんだ…。自分たちもここで式を挙げたいと思ってもらえるよにな…。」

「わかりました…。」

室長に言われて、私は大きく深呼吸した。
そして 笑顔で微笑んだ…。
幸せだったあの頃を思い出して…。
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