婚約者はホスト!?②~愛が試される時~
音楽とともに、ゆっくりと前に進んでいく。
会場からはうわーという歓声が上がった。
リハーサル通りに式は滞りなく進んでいく。
指輪を交換し、誓いの言葉を交わした。
そして 次はいよいよ 誓いのキス…。
松井くんがベールに手をかけた…。
松井くんからは、口にはしないから安心しろと言われていた。
私は、目をつぶり顔をゆっくりと上に上げた。
少しずつ、松井くんの近づいてくる気配を感じ、思わず全身に力が入いる。次の瞬間、私の唇は松井くんの唇と重なった。
えっ…!
ちょっと 松井くん…。
私はうろたえながらも、松井くんのキスを受け入れた。花吹雪が舞う中、途中で辞める訳にはいかなかったから…。
私たちのキスに会場が盛りあがる。
『素敵~!』
『花吹雪の中でキスなんて、まるで映画みたい。』
そんな声が聞こえてきた…。
松井くんがゆっくりと唇を離したのを感じて、私は目を開いた。
松井くんをみると、なぜか観客の方へ視線を向
けている。どこを見ているのだろうと、私は松井くんの視線の先をたどった…。
えっ…!
圭司!?
そこにいたのは圭司だった。
松井くんの視線に応じるかのように圭司もまた松井くんのことを見つめていた。
今のキス 圭司に見られてたんだ…。
全身から変な汗が噴き出してくる。
圭司を裏切ってしまったような…そんな気持ちで一杯になり私は圭司から目を反らした。
私の耳もとで松井くんが呟く。
「なつ 最後まで笑え…。あとで、俺がお前の旦那にちゃんと話してやるから…。」