穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「で、恋人になって変わることはある?」

えっ?

私は顔を上げ加奈子を見た。

「だって、朝の通勤も一緒、週末も一緒。何が変わるのかと思って」

「気持ち」

「気持ちね。でも気持ちに変化があったから恋人なんでしょう?咲希に質問」

「なに?」

「早川さんの好きなところは?」

孝徳の好きなところ・・・

「・・・・・・」

「これといってないとか?」

「全部」

「はぁ?はいはい、それはご馳走さま」

なによ。

聞いたから答えてるのに。

「私ね、孝徳と一緒にいる時の自分が好きなの」

「えっ?」

と、加奈子が顔を上げた。

少し驚いている。

「なんか、あんまり自分を好きじゃなかったけど、孝徳といると自分を好きになれる気がするの。穏やかでいられて、とても癒される」

「へぇー、なるほどね」

「峻と付き合っている時は峻を好きすぎて周りも見えてなかったし、イライラしすぎてる自分もいたし・・・なんか孝徳と一緒にいられるのが幸せ」

「そっかそっか、なんかいいね。私もそんなふうに思えたらいいんだろうね」

加奈子は残りのビールを飲んで、次の飲み物を探そうとメニューを見ながらそう言った。

「なんかあった?」

加奈子の意味ありげな言葉にそう聞き返した。
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