穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
加奈子は二杯目もビールを私は梅酒のロックを頼んだ。

「咲希みたいに素直にいれたらよかったなって・・・」

「慎吾君に素直じゃないの?」

慎吾君は加奈子の短大時代から付き合っている彼氏で同棲中。

「咲希みたいにそんな素直でいられない。ケンカばっかり・・・」

「ケンカ?どんなケンカするの?」

「どうでもいいようなことなの。でも止まらなくなって・・・今日もケンカして家を出た。ご飯食べて帰るのも言ってない」

「はい、じゃスマホ貸して。電話してあげる」

私は手を出して、スマホを渡すように促す。

「しなくていい。慎吾も飲みにでも行ってるわよ」

「気にしてるくせに、さっきから連絡ないか待ってるでしょう?」

何度もスマホに目線を向けてる。

「してきてもいいと思わない?」

「私だったら自分からするなぁ~」

「だから咲希は素直なのよ」

「ケンカしてるのもったいないって思ったりする」

「自分から言ったら負けみたいな気分になるから」

「勝ち負け?」

「慎吾から連絡してきてほしいって思っちゃうの」

「ふーん」

「咲希にはわからないわよ」

「確かに私にはわからない。10年以上一緒にいる加奈子達とは違い過ぎるね」

「それよ、それ。もう11年よ。私30になったの。慎吾はわかってるのかな?」

そういうことか。

30になる前に結婚したい。って気持ちはあっただろうな。

私が恋をしない。って言ってから、慎吾君との話もあまりしなくなった。加奈子は私に気を遣ってくれていたのだろう。

「結婚したい。って言えばいいじゃない?」

「そんなの私から言えないわよ。私だって女なんだから、プロポーズしてほしい」

「そっか、そうだよね」

「慎吾は私と結婚したいとか思ってないんだろうな」

と、加奈子は寂しそうにそう呟き、運ばれてきていたビールを凄い勢いで飲み始めた。

それからは沖縄と言ったら泡盛よね。と、飲みやすい泡盛をひたすら飲んだ。
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