穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
私は次の日、実家から会社に通勤することになった。

早起きを余儀なくされた。

「当たり前だろう。俺も早起きしないといけなんだから・・・文句言うなよ」

と、言うけど、実家から通わせるって言ったのはお兄ちゃんだ。

私は自分のマンションに戻ることも出来るのに・・・

「お前は文句言わずにここから通えばいいんだよ。それに自分では大丈夫って思うかもしれないけど、一人で家にいるのはダメだからな。絶対ここに帰って来いよ」

と、念押しされた。昨日から何度も言われている。

「ほらっ行くぞ」

お兄ちゃんに着いていく。

朝の6時半。

私のマンションに戻って着替えに行くのと、暫く実家で生活出来る荷物の荷造りをする。

「帰りは何時頃になる?」

車に乗り込みゆっくり発進したところで、お兄ちゃんが聞いてきた。

「金曜日休んだから、少し残業になる。8時頃には終わると思う」

「8時か・・・7時半に終わらせて」

「なんか予定あるなら、自分のマンションに帰るけど・・・」

「だからダメだって・・・9時に予定が入ってるから7時半な」

ええっ!?

「7時半には会社の前に降りとけよ」

お兄ちゃんはそう言うと、それから何も話さなかった。

私の意見は聞いてくれない。


でもこの兄に感謝している。

あのまま、孝徳と一緒に帰ることは出来なかったから。

実家からって言ってもらえて、正直ホッとした。

私は孝徳が好き。

でもその好きな孝徳を信じることが出来なかった。

出来なかった・・・

孝徳・・・


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