穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「緒方さん、お疲れ様です」

階段を降りてエレベーターホールの前を通り過ぎようとした時、もうすぐ7時半で急いでいるところで声を掛けられた。

「お疲れ様です」

と、私は声を掛けビルを出ようとした、

声を掛けて来たのが誰かなんてどうでも良かった。

「商品企画の遠藤です。今からご飯でもいきませんか?」

えっ!?

たまに言われたことはあったけど、孝徳といるようになって言われたのは初めてだった。

「ごめんなさい。今日とても急いでいて、それに食事は今日だけではなくいけませんから」

と、立ち止まりきちんと断った。

「早川と別れたって聞いたけど?」

そう言われたその時、声を掛けられた。

「咲希ちゃん」

声を掛けてきたのはこうだいさんだった。

「せっせんむ・・・」

と、遠藤と名乗ったその人は大慌て。

「こう・・・安井専務、お疲れ様です」

こうだいさんと言い掛けたが、最後まで言わずに留め、会釈した。

「いいのに・・・お疲れ様。大丈夫?」

隣の人を目だけで確認する。

「大丈夫です。ありがとうございます」

「せっ専務、お疲れ様です。私はこれで失礼致します」

と、遠藤さんはその場を後にした。

「咲希ちゃん、土曜日はみんな残念がっていたよ」

あっ・・・そうだった。

「突然すみませんでした。皆さまのご都合も考えず・・・」

8人での食事会をキャンセルしたんだ。

「いや、大丈夫だよ。体調不良なら仕方がないし・・・それに少し孝徳から聞いた」

孝徳はこうだいさんに話したんだ。

「会社の人が絡んでるかもって相談してきたんだ。捜すからね。少し待っててね」

「ありがとうございます」

もう一度、今度は頭を下げた。

「お兄さんが待ってるんだろう?早く行った方がいい。それとさっきみたいな奴が今後も現れかねないから気を付けてね」

と、こうだいさんは優しく微笑んだ。

お兄ちゃんが送り迎えすることを孝徳が伝えているのだろう・・・

「はい。ありがとうございます。では、お先に失礼いたします」

私はもう一度頭を下げて、ビルを出た。




< 157 / 181 >

この作品をシェア

pagetop