穏やかと癒し・・・ときどき、あい・・・
「孝徳のお母さんって香澄さん?」

花束を眺めていると花の名前に疎い私でもカスミソウはわかる。

「なんで?」

「さっき、社長が公也と香澄ちゃんって言ってたから」

「なるほど。社長の奥さんも香純さんなんだよ」

「そうなの?」

そうなんだ。

自分と同じ名前の人って親近感わくからなんかいいな。

「行きたくない」

と、突然、孝徳が立ち止まった。

「どうしたの?」

私も立ち止まり、孝徳を見上げる。

歩道の端に寄って、通行の邪魔にならないようにする。

「おじさんもこうだいさんも何考えてるかわからないから・・・」

「いつも冷静な孝徳が珍しいね。応接でお断りしたらよかったのに・・・」

「ああ言わないと帰ってくれなさそうだったからね。あの二人は咲希と話しがしたいんだよ」

「そうなの?」

「咲希に何言い出すかわからない・・・嫌な思いさせるかもしれない」

「嫌な思い?」

「俺の彼女って・・・もう付き合っている前提で言うと思うから・・・」

「大丈夫だよ」

「えっ?」

「私は孝徳が大切。大切な孝徳にもし誰か彼女が出来たら私はヤダ。まだ気持ちがわからない私だけど、孝徳が隣にいさせてくれるから嬉しい。ありがとう」

「そんなこと言うなよ。やっぱり行きたくなくなるだろう?・・・行こう。もう待ってるだろうから」

再び歩き始めた。

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