わたし、式場予約しました!
 


「こんにちはー」

 瑠可が受付を覗くと、インストラクターのおにいさんが、意外そうな顔をした。

 メンバーズカードを出して、お金を払ったりしていると、おにいさんは、
「なんとなくだけど、お友達の方が来て、君は来ないと思ってた」
と言う。

 財布をしまいながら、瑠可は言った。

「いや、そのつもりでしたよー。
 友達は、今日は残業になっちゃって。

 でも、来ると一度、心に決めたので、一人でも来てみました。

 今日は、てっぺん取りますっ」
と言うと、

「いやいや、出来るよ。
 頑張って」
とおにいさんは言ってくれる。

「はいっ。
 頑張りますっ」

 そう気合いを入れると、

「大丈夫。

 最初に言ったでしょ。
 あそこまでは出来なかった人居ないって」
と言われた。

「……そうでしたね」

 どうやら、頑張ってみたところで、素晴らしいところまでたどり着けるというわけではなく、みんなと同じ、スタート地点に立てる、くらいのようだった。

 まあ、それも私らしいか、と瑠可は、一人、隅でストレッチを始めた。
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