吸血鬼の翼
こんなに千秋は美月に思われていると知ると何だか嬉しくて仕方がなかった。
仄暗い空間を突っ切る様に佐々木は美月を担ぎながら走る。
早く千秋を助ける為に。
あの憎まれ口を叩く少年の手助けの為にも。
* * *
美月達が居た階数より上層にある広い集会場の様な大きな広間に1人の男が愉快そうに舞台の壇上へ腰掛けていた。
「どうやら、“招かれざる客”が来たみたいだな…」
もう1人いたらしく、その舞台袖のカーテン越しに長い黒髪を結った青年は面白くない表情を浮かべ、腕を組み突っ立っていた。
それを聞いた男は口元を楽しそうに歪め足を組む。
「…う~ん、鼠って言った方がしっくり来るねぇ」
「面倒な事になるな」
「リフィアが行ってる頃だから、心配しなくていいんじゃないの?まぁ、退屈してたから遊びに行くのも良いかもねぇ」
本当に愉快そうに笑う男を見て、呆れる様に溜め息を吐いた黒髪の青年は割れた窓硝子の外を金の瞳で見つめた。
仄暗い空間を突っ切る様に佐々木は美月を担ぎながら走る。
早く千秋を助ける為に。
あの憎まれ口を叩く少年の手助けの為にも。
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美月達が居た階数より上層にある広い集会場の様な大きな広間に1人の男が愉快そうに舞台の壇上へ腰掛けていた。
「どうやら、“招かれざる客”が来たみたいだな…」
もう1人いたらしく、その舞台袖のカーテン越しに長い黒髪を結った青年は面白くない表情を浮かべ、腕を組み突っ立っていた。
それを聞いた男は口元を楽しそうに歪め足を組む。
「…う~ん、鼠って言った方がしっくり来るねぇ」
「面倒な事になるな」
「リフィアが行ってる頃だから、心配しなくていいんじゃないの?まぁ、退屈してたから遊びに行くのも良いかもねぇ」
本当に愉快そうに笑う男を見て、呆れる様に溜め息を吐いた黒髪の青年は割れた窓硝子の外を金の瞳で見つめた。