ラストボーイ
「嘘でも友達でいてくれてありがとう。沢山考えたんだけど‥‥あたしはやっぱり礼ちゃんが好きだよ。礼ちゃんがあたしを嫌いでも憎んでても‥‥あたしは好き。だって、あたし礼ちゃんに救われたんだよ。沢山助けてもらったんだもん。あんな事があったけど、あたしの友達だった事に変わりはないから‥‥。ごめんね。こうなるまで礼ちゃんの気持ちに気付かなくて。」
この一週間沢山考えたけど、
礼ちゃんを嫌いになったり憎んだり、
あたしにそんな感情は生まれなかった。
あるのは「ありがとう」と「ごめんね」だけ。
「‥‥っ」
あたしと目を合わせた礼ちゃんの頬に涙が伝った。
言葉なんていらない。
ごめんねもいらなかった。
少しでもあたしの気持ちが伝わって、
あたしという存在を忘れないでいてくれたら、
もうそれだけで良かった。
クラスの子達も空気を読んだのか、
面白くなさそうに散らばっていった。
感情にまかせて一気に意気消沈したあたしは、
もう涙腺が限界に近かった。
礼ちゃんの涙を見て余計に。
「芽生おいで」
後ろからあたしを呼ぶ愁ちゃん。
涙が流れそうなのを堪えて、
あたしは愁ちゃんが呼ぶ方へ走る。
愁ちゃんはあたしの頭をポンポンと2回叩いた。
「‥‥屋上いく、行きたい」
あたしがそう言うと「ん」と短い返事で返す愁ちゃんの後を追ってその場を後にした。