ラストボーイ












「嘘でも友達でいてくれてありがとう。沢山考えたんだけど‥‥あたしはやっぱり礼ちゃんが好きだよ。礼ちゃんがあたしを嫌いでも憎んでても‥‥あたしは好き。だって、あたし礼ちゃんに救われたんだよ。沢山助けてもらったんだもん。あんな事があったけど、あたしの友達だった事に変わりはないから‥‥。ごめんね。こうなるまで礼ちゃんの気持ちに気付かなくて。」








この一週間沢山考えたけど、
礼ちゃんを嫌いになったり憎んだり、
あたしにそんな感情は生まれなかった。



あるのは「ありがとう」と「ごめんね」だけ。








「‥‥っ」







あたしと目を合わせた礼ちゃんの頬に涙が伝った。





言葉なんていらない。


ごめんねもいらなかった。

少しでもあたしの気持ちが伝わって、
あたしという存在を忘れないでいてくれたら、
もうそれだけで良かった。






クラスの子達も空気を読んだのか、
面白くなさそうに散らばっていった。





感情にまかせて一気に意気消沈したあたしは、
もう涙腺が限界に近かった。


礼ちゃんの涙を見て余計に。







「芽生おいで」





後ろからあたしを呼ぶ愁ちゃん。

涙が流れそうなのを堪えて、

あたしは愁ちゃんが呼ぶ方へ走る。







愁ちゃんはあたしの頭をポンポンと2回叩いた。





「‥‥屋上いく、行きたい」





あたしがそう言うと「ん」と短い返事で返す愁ちゃんの後を追ってその場を後にした。




< 265 / 316 >

この作品をシェア

pagetop