Love Place


明らかに照れて、顔がリンゴのように真っ赤になっている朱里。


見ていてもっと苛めたくなるけど、それは仕事終わりまで我慢だ。


「さ、始めるぞ~」


その部長の言葉に、みんなが一斉に仕事に取り掛かる。


オフィス内は静まり返り、機械音しか聞こえない。


たまに人の声が聞こえてくると思えば、取引先などと電話をしている声だけだ。


でもその空間がなぜだか落ち着くし、仕事もはかどる。


それは普段からの営業部の雰囲気がいいからで。


私は営業部に来れて、本当に良かったと思っている。


それなりに辛くてしんどい仕事は多いが、このメンバーだからこそやっていけるのだ。


それから仕事を猛スピードで終わらせ、きりのいいところで仕事を終え、データを保存してから社員食堂へ向かった。


注文した日替わりランチを持って、空いている席に座る。


ご飯を食べようとした時に、突然メールが来た。


急いでそのメールを開くと、差出人は風間さんで。


メールには、『今日の夜、7時に前にお昼食べた店でどうかな?』と書いてあった。


え?今日……


あっ!!風間さんと約束してたんだ……忘れてた。


その時、前に誰かが座ってきた。


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