Love Place
「まぁ、結婚したいヤツはいるけどな」
と、渚が呟くように言った。
え……、やっぱり付き合ってる人いるんだ……。
そう思った瞬間、頭の中が真っ暗になった。
渚とよりを戻すことなんてできないなんて、もうとっくにわかっていたのに。
現実を突き付けられるとやっぱり辛い。
じゃあ私はここに居てはいけない。
昨日の渚の発言は気になるけれど、それは友達のことを心配して言ってくれたことだと解釈して。
その渚の声が聞こえなかったようなふりをして、私はご飯を急いで食べ終えた。
「ご馳走様でした。じゃ、じゃあ私帰るね……!」
そう言って急いで荷物を取りに、寝室に向かった。
荷物といっても、会社帰りだからそれほど多くはない。
寝室に入り、散らかった自分の荷物を集めて、そのまま玄関に向かった。
「お邪魔しました……!」
と言って家を出ようとすると、渚が後ろから話しかけてきた。