Love Place
そうして温泉街を歩くこと約三十分。
「ねぇ、朱里……。まだ決まらないの?」
私が何でもいいと言ったので、あまり文句は言えないけど。
いくらなんでも掛かり過ぎじゃない?
もう二時半なんだけど……。二時半って言ったらもうおやつの時間じゃないの?
「う~ん、だってさ~。あれも美味しそうだし、これも美味しそうだし~」
さすがにお腹が空いたし、さっきからお腹が鳴り止まない。
「もういっそのこと全部食べたらいいじゃない」
「あっ!その手があったか!」
私の意見に朱里はすぐに賛成して、ようやく私はご飯にありつけた。
……と思いきや。
「ねぇねぇ莉茉。次はあそこね!」
もうこれで3軒目だ。
それでも朱里の食べるペースは衰えない。
こんなに細いのにどこに食べたものが入っているんだか。
「莉茉、次のお店行ったらその次からはデザートにしない?」
「わかった。じゃあ早く食べよ!」
そんな私も人のことは言えないけれど。