Love Place
「も、もう早く食べようよ!」
朱里が慌てて催促するので、笑いながら返事をすると。
スっと私のおかずを少し取られた。
「朱里……?」
「いただきまーす!」
フンっと私の怒りの声を無視して食べ始める朱里。
絶対に仕返ししてやる……っ!食べ物の恨みは凄いんだから!!
そう私は心に決めて、ご飯を食べ始めた。
仲居さんが私たちのやり取りを見てクスッと笑っていたことは言うまでもない。
「ん~っ美味しい」
「もう一生ここに居たい」
二人でご飯を絶賛しながら食べていると、いきなり朱里の携帯が鳴った。
朱里は携帯を放置して食べ続けていたから、「出ないの?」と聞けば、「だってご飯中だもん」と即答された。
まあ私でもそうするけど。
「でも一応誰かだけでも見ておいたら?」
と言うと、朱里は渋々といった感じで携帯を開いた。
その途端、朱里の顔が少し赤くなったので、たぶん相手は坂井さんだろう。
「坂井さんでしょ?」
「へっ、?」