イジワル同期とルームシェア!?
仕方なさそうに手を伸ばしてきた元希。
私はその手を叩き落とした。


「ひとりで大丈夫です。青海くんの助けは要りません」


周囲のムードが凍る。
涼子が慌てて私と元希の間に入ってきた。


「青海!文、結構酔ってるから、絡みづらいけど勘弁してやって!」


「もう、酔いなんか冷めたよ。ホントひとりで帰れるから」


私がイライラと言うもので、涼子たちは困った顔をしている。

ああ、酔った上、みんなの冗談が流せないほど空気読めてなくて、恥ずかしい!情けない!

だけど、この“青海元希と古町文をくっつけよう的ノリ”についていきたくない自分がいるのよ。

周りからお膳立てされても困る。
……私の中でも、今、自分の気持ちがわけわかんなくなってるんだから。


「涼子、タクシー捕まえるまで一緒に来て。みんなバイバイ」


私は涼子を引っ張って輪を抜けた。

混雑する駅前通りでなんとかタクシーを捕まえ、重たい身体をどさりとシートに預け、乗り込んだ。
近所の元希の部屋までは道が混んでいるから歩いた方が近そうだ。でも、今は早くこの場を退散したい。
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