イジワル同期とルームシェア!?
大士朗はお目付け役の元希へ引け目を感じていたのではない。どうやっても身分も能力も上の元希を完全に恐怖対象として見ていたのだろう。

花火の時も大士朗は私と元希はVIP席に行かないのかと聞いた。
元希が自分の素性を隠して私と付き合っているとは思っていなかったのだ。
元希の立場ならVIP席に招かれていたって不思議はない。


「毬絵さんと仲良く見えたのも?」


「そうそう。将来の経営者同士の付き合いだよ。親の代から友好関係だし、安島部長含めて懇意にしてるんだ。実際、昔っから姉貴みたいに思ってるし。恋愛相談も……まあ少々」


それか!
毬絵さんの『あなたたちの事情はあらかた知ってる』発言!

会議前夜に会った時も、私たちのことを心配して声をかけようとしてくれてたんだ!
うわ~、未来の社長を私たちの恋愛沙汰に巻き込んだ感半端ない。


「あーでも、歌舞伎座で目撃されたって知った時は焦った。俺と毬絵さんのすぐ後ろには薗田社長夫妻とうちの両親がいたんだよ。あんなの見たら、俺の正体モロバレだろ?」


いや、私のことだから、きっと「親御さん同伴でデートなの!?」って妙な勘違いすらしていたと思う。
ど鈍いもんね、私。
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