イジワル同期とルームシェア!?
「そうだ、おまえらうち寄ってけよ。今日はアヤがシチュー作るって言ってた。たぶん大量に作ってるから、二人とも食べてけばいいじゃん」


青海が名案とでもいうように言う。
ハイハイ、付き合いたてのバカップルっぽいですねー。
彼女の手料理を食べてけよ発言。

なーんか、毒々しい気分が抜けない私は、青海に当たり障りのない断りの文句を選ぶ。すると、横から努くんが言った。


「いや、帰る。涼子が作った煮物、今夜中に片付けないと悪くなる」


努くんはたぶん、どっちでもよかったんだと思う。
だけど、私の気配を察して断ってくれた。

努くんは気遣いの達人だ。


「なんだ、そっかー」


「また誘ってくれ。古町のメシ、食ってみたいしな」





青海と別れ、私たちはメトロの新橋駅へ。
努くんは混んだ車内ではあまり喋らない。疲れているというより、もともと無口なのだ。

硬派で落ち着いていて、私と結婚すると決まった時、社内の多くの人たちが「なぜ?」と言った。
あの文ですら、不思議がっていた。
私、チャラチャラして見えるもんなぁ。
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