realize
「もぅ…、歳なんだから無理しないでよね!」

父親にそう言うと、父は小さくなって
しょんぼりした様子で母親の方をみた。

母親はその視線に気づくと

「そうですよ!歳を考えてくださいね!
私が言っても全然聞きやしないんだから…」

と、娘から言われれば少しは無理しなくなると思ったのか、そう父親に言うと"もっと言って"と言わんばかりに私に目くばせをした。

母は少しおっとりした感じのおおらかな人で、それと正反対でせっかちで強気な父はいつも、母の注意のほとんどを緩かに奏でる音楽のように聞き流していた。


そんな感じに昔から父に対して小言を言う役割をしていたせいか、すっかり母と娘の役割が入れ替わったかのようになっていた。


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