自分勝手なさよなら
寛子と別れ、電車に乗り込む。
週末のこの時間は酷い混雑だ。
何とかつり革を掴み、ケータイを開く。
地元の友達や学生時代の友達から数件おめでとうメールが来ている。

皆マメだな…そう思いながら、やはり嬉しくなる。
内田くんからもLINEが来ている。
二次会には行ったのだろうか。
お疲れさまでした…という内容を予想をしてたが、それは違った。
『お誕生日おめでとうございます‼お祝いできて良かった』
内田くんからのLINEは12時ちょうどに来ていた。
皆で飲んでたのに…
いつ送ったんだろう?

素直に嬉しい気持ちと、何だか複雑な気持ちが沸いてきているのは、内田くんのモテ話を聞いたからだろうか。
あんまり大人をからかわないでよね。
そう思って返事は返さず、誰も待たない家へ急いだ。
< 15 / 26 >

この作品をシェア

pagetop