自分勝手なさよなら
毎日何かがあるようで、何もない平凡な毎日。
その日、職場では大幅なロケーション変更が予定されていた。
研修中であった新入社員が、各部署に配属される。
それにともない、席の移動や、今回に至っては新たな部署が立ち上げられることになり、いつも以上に社内は落ち着かない様子だった。
勿論コールセンターのため、そんなことのために通常業務を止めるわけにはいかない。
残業になることは覚悟していた。
引越作業に飽きた徳永課長が言う。
「お腹すいた~村ちゃん何か買ってきてよ~
マック食べたい!」
「え?今からですか?もう21時過ぎてますよ、あと少しですよ。」
「うちのラインの皆の分も出すから!荷物持ちも着けるから!」
「もー。しょうがないですねぇ」
差し出された一万円札を受け取り、カーディガンを羽織り、事務所を出ようとしたところ、着いてくる影を感じた。
「徳永課長に付いていけって…」
子犬のような顔をした内田くんだった。
「荷物持ちか。助かる。」
そう微笑みながら、私は徳永課長に感謝した。
よくぞこの、イケメンを任命してくれた!
仕事以外の話をするのは初めてになる。
「村松さんて長いんですか?」
「うん、もう5年になる。うちのチームじゃ一番の古株だよ。なんだっけ、あれ。お局ってやつ?」
自虐になってしまうのはイケメンへの引け目だろうか。
内田くんの足が止まる。
ん?
「…村松さんは、そんなんじゃありません。」
子犬のような目で、私をじっと見つめてくる。
沈黙が気まずい。
「マックだけじゃなんだし、私コンビニで甘いものも買っておこうかな。先行っててよ。」
気まずい空気に耐えきれず、何故か思ってもないことを言ってしまう。
その日、職場では大幅なロケーション変更が予定されていた。
研修中であった新入社員が、各部署に配属される。
それにともない、席の移動や、今回に至っては新たな部署が立ち上げられることになり、いつも以上に社内は落ち着かない様子だった。
勿論コールセンターのため、そんなことのために通常業務を止めるわけにはいかない。
残業になることは覚悟していた。
引越作業に飽きた徳永課長が言う。
「お腹すいた~村ちゃん何か買ってきてよ~
マック食べたい!」
「え?今からですか?もう21時過ぎてますよ、あと少しですよ。」
「うちのラインの皆の分も出すから!荷物持ちも着けるから!」
「もー。しょうがないですねぇ」
差し出された一万円札を受け取り、カーディガンを羽織り、事務所を出ようとしたところ、着いてくる影を感じた。
「徳永課長に付いていけって…」
子犬のような顔をした内田くんだった。
「荷物持ちか。助かる。」
そう微笑みながら、私は徳永課長に感謝した。
よくぞこの、イケメンを任命してくれた!
仕事以外の話をするのは初めてになる。
「村松さんて長いんですか?」
「うん、もう5年になる。うちのチームじゃ一番の古株だよ。なんだっけ、あれ。お局ってやつ?」
自虐になってしまうのはイケメンへの引け目だろうか。
内田くんの足が止まる。
ん?
「…村松さんは、そんなんじゃありません。」
子犬のような目で、私をじっと見つめてくる。
沈黙が気まずい。
「マックだけじゃなんだし、私コンビニで甘いものも買っておこうかな。先行っててよ。」
気まずい空気に耐えきれず、何故か思ってもないことを言ってしまう。