自分勝手なさよなら
コンビニでお饅頭やらチョコレートを買い、コンビニを出たところで内田くんを待つ。
一人でライン皆の分を持てるだろうか。
急いで転んだりしないだろうか。

まるで母親のような気持ちで、マックのあるビルの入り口を眺めていると、暫くして内田くんが走ってきた。
「寒いから中にいていいのに。」
息を切らすイケメン。
ささやかに目に焼き付ける。

「半分持つよ。」
「いやいいですよ。村松さんもお菓子持ってるし。」
この優しさはやはり、イケメン故の余裕なのだろうか。
頭のなかでぐるぐる分析をしながら、私たちは会社へ戻り、皆でハンバーガーとお菓子を食べて、黙々と作業をした。

終始冷静に務めたが、寛子くらいには私が浮かれていることが伝わってしまってるかもしれない。
別に何てことはない事なのだか、連絡先を知ったことを寛子には言えなかった。

もしかすると、この時にはもう、私は恋に落ちていたのかもしれない。


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