狼さんに喰われたい。
「じゃあさ、俺の色に染まってよ。」

大の大人が寒い台詞を平然と言ってのける。


「...何か言ってよ、ミャー。」

恥ずかしくなったのか、大神さんが私に詰め寄る。


「大神さん、ここ公共の場ですよ。」


「知ってる。
居候さん、もっと見せつけとく?」

大神さんが顔をぐっと近づける。


「...分かりました。
取り敢えず試着しますから。」

はぁっと溜息をつく。

ずるい大人代表者め。


「俺も行こうか?」


「結構です!」

大神さんの顔を押し返して、試着室に逃げ込んだ。
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