狼さんに喰われたい。
「ちょっと待って下さい!!
何処に向かってるんですか!?」

運転手に聞いても何も答えてくれない。


「俺の家だ。」

隣で座っている男性が、濡れた眼鏡を拭きながら、代わりに答えてくれた。


「降ります!!」

危険を感じて車のドアを開けようとすると、窓に両手を押さえつけられた。


この人...暗くて分からなかったけど、近くで見ると目鼻立ちがはっきりしてて綺麗な顔をしてる...


「ってそうじゃなくて!
離して下さい!!」


必死に足をバタつかせて抵抗してみたが、ちっとも効果が見られなかった。
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