あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 このことを知ったのは私が初めてだと、勝手に思い込んでいたけれど、架くんは私より先に知っていたようだ。

「架くん、樹沙ちゃんのお店にお客さんで来たとか?」

「いえ、違います! 葉月さんと同じで、表通りに出たところをたまたま見られてしまったんですよ。架さんにも、会社には黙ってて欲しいってお願いしました。そしたら了承してくれて。やさしいですよね、架さん」

 架くんも私と同じように樹沙ちゃんの話を聞いて、秘密を守っていたのだ。

 彼は面倒なことは嫌うというか、人生なるようにしかならないよと流すタイプだと思っていた。
 私の中にある架くんに対してのそんな失礼なイメージは、少し訂正しないといけないな。

「架さんが住んでるとこ、あのお店と最寄り駅が同じらしいですね」

「へぇ……」

「知りませんでしたか?」

 私は小さく首を横に振った。
 架くんとそんな話は一度もしたことがないし、考えてみれば私は架くんのプライベートはほとんど知らないのだ。

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