あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 私の瞳をじっと射貫くように見つめながら、力説しないでもらいたい。
 
 ……それに、架くんの今の言葉。

『好きだから触れたいしキスしたい』って……
 それは私たちにとって踏んではいけない地雷だ。あの日の架くんとのキスがどうしても脳裏に蘇ってきてしまう。

 だけど社長に熱烈な愛の言葉を言ったすぐあとに、私にキスしてきたのだから、本気にしてはいけない。

「市川さん……さっきの人だけど、結婚してるし奥さんは妊娠中だよ」

「え?! まさか葉月さん……不倫?」

「違うわよ!!」

 即座に否定すれば、架くんがケラケラと笑い出した。
 もしかして……いや、確実に私は今、からかわれたのだ。

「初めて市川さんと出会ったとき、私は大学を卒業したばかりの二十二歳で、市川さんは二年先輩だから二十四歳だった。お互いまだ若くてね」

 静かに話し始めた私に、架くんが不思議そうな面持ちで耳を傾ける。

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