あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 気がつけば、ホストの世界で“エルドラゴンのシュージ”の名がひとり歩きするほど有名になっていて、俺の客がさらに増えていく。

 ホストになりたてのころは、あらゆる知識を頭にいれて、女が好みそうな話題を盛り込むようにしていたが、今はそれもあまり関係なくなっていた。

「シュージ、ちょっとこっち来いよ」

 まだ開店前の時間、店舗の巡回をするはずのオーナーが、俺を店長室に呼び出して近くに来いと手招きする。
 なにげなく部屋をぐるりと見回したが店長は不在だった。

「いいものがあるんだよ」

 この部屋には俺とオーナーしかいないのに、小声なのが不思議だったが、手招きするほうへと歩みを進めた。
 とりあえずオーナーの機嫌はよさそうなので、俺がなにか失態をおかして説教されるわけでもなさそうだ。

 黒の革張りのソファーに足を広げて座っていたオーナーは、俺が近寄ると隣に座るように促し、自身の脇に置いていた鞄に手を突っ込んだ。
 なにが出てくるのだろう? 新発売の精力剤とかか?

「お前、金持ってんだろ? これ買わないか?」

 相手はオーナーだ。俺は愛想笑いの笑みを崩さずにいたつもりだったが、顔が一瞬引きつったかもしれない。
 それくらい、出されたものが衝撃的だった。

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