あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 ホストに向いてないヤツが、ナンバーワンになれるわけがない。

 最初はバイトでヘルプから始めて、トークも勉強した。
 とんとん拍子ではあったけれど、顔だけでここまで上り詰めたわけではなく、俺は俺なりにがんばってきたのだ。

「ナンバーワンがなんなのよ」

「……え?」

「架はこの先、どうなりたいの」

 どうなりたいか……それは俺にもわからない。
 先のことなんて最近はまったく考えていなかった。

「こんな大きなマンションにひとりで住んで、いったいなにがしたいの」

「……」

「お金はある。だからなんでも買える。だけどなにも満たされない。……違うと言いきれる?」

 たしかに俺はずっと、意味もなく物を買うのが癖みたいになっていた。たいした物欲もないのに。
 本当に欲しいと思っていないから、買っても心は満たされないままなのだ。

 じゃあ……俺にとって本当に欲しい物って、なんなのだろうか。

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