あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「剛田くんが襲うわけないでしょ」

 バカじゃないの? と凪子さんに鼻で笑われたが、バカはどっちだ。

「剛田さんだって男だろ」

 大人しそうな顔していても、中身は男なんだよ。
 普段は草しか食べない完全草食みたいな態度でも、本当はエロい願望だってあるはずだ。

 葉月さんをホテルで裸にして……なんて妄想しているに決まっている。

 剛田さんが内心そう思っているかもしれないと、頭の中で勝手な想像をするだけでムカムカと腹が立ってきた。

 ダメだ。葉月さんを誰にも渡したくない。
 あの澄み切った瞳も、ぷっくりした唇も、サラサラの髪も、美しい白い肌も、全部俺のものだ。誰にも触れさせてたまるか。

 そうは思うが、俺と葉月さんの距離はなかなか縮まらない。

 俺のような男が強引な行動を取れば、葉月さんは絶対に逃げる。
 それは容易に予想できるから、余計に距離の詰め方がわからないのだ。

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