あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 急に架くんとの喧嘩の話を持ち出されて、驚いて心臓が口から飛び出そうになった。
 とりあえず座りなさいとソファーに促されても、まだ心臓はドキドキと早鐘を打ったままだ。

「……どうしてわかったんですか?」

「ここ何日も、アンタたちひと言も口きいてないじゃないの。誰が見ても喧嘩してるってわかるわよ」

 それもそうだ。いつもなら私のデスクまで架くんが来て、あれこれ話しかけに来ていたのに、それが一切ないなんておかしい。

 ということは、きっと他の同僚もそれに気づいている。
 職場の空気を悪くしていたかもしれないと思うと、猛烈に反省の念にかられた。

 私はなにをやっているのだ。ここは職場で、みんな真剣に仕事をしている場なのに。
 これ以上同僚に迷惑をかけるわけにはいかない。

 架くんとはたとえ恋人関係が終わることになっても、それは同僚には関係のないことだ。
 どんなに辛くても、これまでどおり架くんに接しないといけない。

「ごめんね」

 どう返事をしていいかわからずに沈黙していると、社長が不意に謝りの言葉を口にする。

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