ガリ勉×メガネ=?
「……先生」

 困った。
 苦笑しながら意見を求め先生が振り返る。

「あー……どうしよう?」

「先生ってドジ?」

「じつはよくいわれる」

 そういって頭をかく先生のあまりの情けなさに、思わず声を上げて笑ってしまった。すると先生のほうも表情を崩して笑い出した。
 私にはこれといって特別な感情は湧かないけれど、若くて素敵な瀬戸口先生、女生徒の中で人気があるのもわかる気がした。

「何の音なのっ!?」

 物凄い勢いでドアが開き、刺々しい甲高い声で綺麗な女性の保健の先生が入ってきた。笑い合っていたふたりを見て神経質そうに顔をしかめる。

「あ、すみません」

 机を指差し、頭に手をやって苦笑いを浮かべ頭を下げる瀬戸口。保健室からすぐに追い出されたのはいうまでもない。

「消毒して絆創膏貼ったけど、帰りに寄ってくれる? 手の状態みたいから」

「ありがとうございます。わかりました」

「気にしないで。あなたみたいに綺麗な子はいつでもいらっしゃい」

 意味深な発言をする保険の先生は、ウフフと妖艶に笑った。怪我の手当てをしてもらった葉菜は、授業が始まって静かになった廊下を一人で歩いていく。
 完全に授業に遅れちゃったな……。

「すみません。怪我しちゃって保健…」

 あいそ笑いを浮かべ、謝りながら教室に入っていき、教室内ががらんとしていることに気がつく。
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