傷む彼女と、痛まない僕。
「オレ、影がある人間って、全員かまってちゃんだと思ってるし。 内容は言いたくないくせに『ワタシは凄く悩んでるの!! 苦しいの!!』って空気は出してくるじゃん。 そういう人ってきっとさ、深入りはされたくはないけど、辛い気持ちだけは分かって欲しいんだと思うんだよね」
小山くんは、ただただ純粋なわけではなかった。 人のあざとい部分を見抜いた上での心の清さだった。
「・・・なるほど。 で、自分が吉野さんの辛い気持ちを分かってあげようと??」
「だから、別にオレは吉野の事好きとかじゃないから!! ・・・でも、ホントに進路どうするんだろ。 吉野」
吉野さんを心配して、着替える手が止まってしまう小山くんは、やっぱり吉野さんに恋をしているんだと思う。
「小山くんは進路どうするの??」
「オレは教育学部に行きたいと思ってる。 小学校の先生になりたいんだ!!」
目をキラキラに輝かせて宣言する小山くん。
小山くんは、嘘が吐けない正直者なんだと思う。
「教育学部ってゴリゴリの文系だよね。 何で理系クラスにいるの??」
「・・・え。」
言い訳が思いつかない小山くん。
小山くんの好きな人は、吉野さんで確定。
「小山くんは、嘘は超絶下手くそだけど、世界一生徒に好かれる小学校の先生になると思うよ」
「北川のアホ!! ・・・でも、嬉しいわ。 ありがとう」
夢があって、恋もしていて、勉強も部活も頑張る小山くんは、眩しすぎて、羨ましかった。