傷む彼女と、痛まない僕。



 小山くんの好きな人が吉野さんだと分かった途端、小山くんの行動がいちいち面白く見えてしょうがない。

 僕の席は1番後ろだから、小山くんと吉野さんの様子は丸見えで、小山くんが吉野さんに話かけようと振り向く度に、小山くんの顔が見えて『あぁ。 小山くん、恋してるんだよなー』と思うと、微笑ましくてこそばゆくて。

 たまに小山くんとふいに目が合うと、小山くんはバツが悪そうにサッと視線を外したかと思えば、LINEで『こっち見ないでよ!!』という可愛いメッセージを送ってくる。

 何この萌える生き物。

 休み時間、頬杖をつきながら2人様子を眺めていると、僕の視線に気付いたのか、僕が気になってチラ見を繰り返す小山くんが気になったのか、吉野さんが僕の方を見た。

 そして立ち上がり、僕の方にやって来る吉野さん。

 吉野さん大好き小山くんも、吉野さんの後を追って来た。
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