傷む彼女と、痛まない僕。

 「・・・あの人が『吉野さん』かぁ」

 小山くの様子を面白がって見ている僕の隣で、前に僕が話した事を思い出したのか、大ちゃんも2階に視線を向け、吉野さんを見ていた。

 「・・・ワタシとタイプが全然違うな」

 大ちゃんの言う通り、クール系の吉野さんと、ふわふわ系の大ちゃんは正反対とも言える。

 「同じクラスにいたら、吉野さんと大ちゃんは絶対に同じグループには属さないよね」

 「だと思います。 絶対ないと思います」

 大ちゃんの返しに、少し驚いた。 大ちゃんなら『そんな事ないですよー。 案外仲良くなるかもしれないじゃないですかー』的なかわいい返事をするのだと思っていたから。

 吉野さんは、大ちゃんの中で今も『変な人』のままなのかもしれない。
< 57 / 210 >

この作品をシェア

pagetop