傷む彼女と、痛まない僕。
それでも吉野さんは、試合終了までい続けてくれた。
『何かゴメンネ』の意を込めて、両手を合わせて2階にいる吉野さんを見上げた時だった。
急に視界が揺れて、膝の力が抜けた。
崩れ落ちる様にその場に倒れてしまった。
倒れた原因は、分かっていた。
脱水だ。
誰にも言っていなかったけれど、昨日の夜から身体の調子がおかしかった。
昨日からずっと、今日の朝計っても、熱が38度以上あって、何を食べても、何かを飲むだけで下痢をした。
だから、今日は何も食べていないし、水も1滴も飲んでいない。
多分、重めの風邪だと思う。
分かっていたけれど、どうしても今日の試合に行きたかった。 バスケ部に入って初めての試合だったから。 全国に行けるかどうかの大事な試合だったから。 僕がいようといまいと、試合の勝ち負けには関係ないのかもしれないけど、僕もバスケ部の仲間として居たかった。 こんな僕でも、みんなの何らかの役に立ちたいと思ったから。