この勇気をくれたのは君だったよ



先輩の言う通りだ。


私は汚い、もう汚れきってる。


そんな女は誰かの本命になったらダメだ-…






『確かに愛菜はバカだ。

 好きでもない男に簡単に身体を許すんだからよ…。

 けどな…てめぇーも男だろ?

 男なら男らしく、たった一人の大事な女を守ってみろよ!

 お前みたいに男の意地なくしてフラフラしてるバカがいるから、愛菜みたいになる女が生まれるんだよ!』



直哉はそう言って、先輩の腕を捻りあげる。





『…ててて!』


苦痛に歪む先輩の顔。


それを見た直哉はしばらく捻ると、


『先輩、こいつと手を切ってください。

 二度とこいつに話しかけんな!』



凄みのある顔で直哉はそう先輩に言った。






『………分かったよ…!

 けど、その女は変わらない!

 俺より腐ってる女だからな!』



先輩はそう叫んで、直哉から自分の腕を離した。







『お前、そんな女を本命にしたら、一生後悔するからな…!』



先輩はそれだけ叫んで、男子トイレから出て行った。





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