この勇気をくれたのは君だったよ
『私、後悔とかそういう類の言葉とは無縁なの。
私は生きたいように生きてるだけだし、やりたいことを自由にやってるだけ。
今が最高に楽しいなら未来の私がどう思うと関係ないの』
『お前なー…そういうこと言ってっと絶対後で後悔』
藤本はその続きが言えない。
何故なら、いつものように私が唇でその口を塞いだからー…
藤本は一瞬訳が分からない顔をしていたけど、すぐに私の顔を引き離す。
『………お前、今、何した…?』
突然のキスに動揺する藤本。
可愛い、本当に、最高に可愛い。
『キス。したんだから分かるでしょ?』
何事もなかったかのように振る舞う私に藤本は真剣な目で私を見つめる。
『なんでお前がこういうことすんの?
俺、お前にこういうことされんの嫌なんだけど』
『なんで?』
『俺は吉住のことが好きだから。
吉住以外の奴とこういうことはしたくない…!』
言いきった藤本。
いや、私の幼馴染。
『へー。じゃ、直哉は私がこのまま堕ちていく人生でもいいんだ?』