アリスには赤い薔薇を
猫には白兎の首を
チェリシィが私の
目の前に石を
近づけた。
ピントが合わず
視界がぼやけた。
「近すぎて
見えないよ」
私は石を
受け取り
何かあるのかと
見てみた。
〈離して~な〉
「チェリシィ?
何か言った?」
「何にも」
「そっか」
確かに何か
聞こえたような
気がしたけれど。
ざらざらしてる
高めの、声。
耳がキンキン
するような。
チェリシィとは
まったく違う
嫌悪感を抱く
ような声だった。