アリスには赤い薔薇を
猫には白兎の首を
「すぐ治るよ」
正確には、
すぐ治すだと
思うけれど。
チェリシィはまた私の
傷口を舐めた。
痛みがなくなった。
血はもう
流れていない。
傷口は綺麗に
ふさがっていた。
「痛くない?」
「うん……
ありがとう」
「まさか咬むとは
思わなかったよ
痛い思いさせて
ごめんね」
チェリシィのいつも
たっている
猫の耳がしゅんと
今は下がっている。
ほんとに
悲しいみたいで。
別に私はチェリシィの
せいだとは
思ってないのに。
なんだかこっちが
悪いことしたみたい
「気にしないで
私は大丈夫だから」
ね、とチェリシィに
治してもらった
指を見せる。
チェリシィの耳が
ちょっと元気に
なった気がした。