横顔の君
「どうもありがとうございます。」
「僕の方こそ、本当にありがとうございます。」
結局、私はそのしおりをプレゼントしてもらい…
その代わりに、私は同じデザインで色違いの紺色のものを照之さんにプレゼントした。
つまり、私達のしおりはお揃いだということ。
それも、お互いにプレゼントし合ったもの…
考えるだけで、嬉しくて頬が緩んでしまう。
ところが、そんな幸せな気分は、それからほんの少し経った時に終わってしまった。
帰りの電車で、照之さんはなぜだかすっと私の傍を離れ、遠くの席に座ってしまったから。
考えてみれば、最寄り駅は同じ所なんだから、こっちの駅で待ち合わせるっていうのもおかしな話だ。
それに、駅前の映画館でも上映してるのに、わざわざ離れた映画館に来るっていうこと自体、おかしいといえばおかしい。
そのことから考えれば、私と一緒の所を知ってる人に見られたくないってこと?
私と一緒だと恥ずかしい?
そりゃあ飛び切り美人ということはないけど、恥ずかしいと思われるほど酷くもないはずだけど…
或いは誰かの手前、私と一緒のところを見られたら都合が悪いとか…?
ってことは、この前のあの言葉は嘘ってこと?
独身で、付き合ってる人はいないって言ってたあの言葉…
いや、あれが嘘なんて思えない…!
あの時の照之さんの顔には、嘘なんて欠片さえも感じられなかったもの。
(あ、でも……)
もしかしたら、付き合ってはいないけど、ひそかに好きな人がいて…
だから、私と一緒のところを見られると困るとか…?
そんなことを考えている間に、降りる駅に着いた。
降りて照之さんを探したけど、彼の姿はホームにはなくて…
すると、その時、私の携帯が着信を知らせた。
画面に出ているのは『隠岐照之』の文字。
「は、はい!」
「あ、吉村さん…今日は本当にどうもありがとうございました。」
「こちらこそどうもありがとうございます…ところで、隠岐さん…今、どこにいらっしゃるんですか?」
私は再びあたりを見渡した。
だけど、やっぱり照之さんの姿はみつからない。
「はい、今、市場です。
帰りにちょっと買い物をして帰ろうと思いまして…」
「……そうだったんですか。」
気持ちが沈んだ。
何も言わずに一つ手前で降りるなんて…
悲しいことだけど、やはり、私は避けられてるのかもしれないって思えた。
「僕の方こそ、本当にありがとうございます。」
結局、私はそのしおりをプレゼントしてもらい…
その代わりに、私は同じデザインで色違いの紺色のものを照之さんにプレゼントした。
つまり、私達のしおりはお揃いだということ。
それも、お互いにプレゼントし合ったもの…
考えるだけで、嬉しくて頬が緩んでしまう。
ところが、そんな幸せな気分は、それからほんの少し経った時に終わってしまった。
帰りの電車で、照之さんはなぜだかすっと私の傍を離れ、遠くの席に座ってしまったから。
考えてみれば、最寄り駅は同じ所なんだから、こっちの駅で待ち合わせるっていうのもおかしな話だ。
それに、駅前の映画館でも上映してるのに、わざわざ離れた映画館に来るっていうこと自体、おかしいといえばおかしい。
そのことから考えれば、私と一緒の所を知ってる人に見られたくないってこと?
私と一緒だと恥ずかしい?
そりゃあ飛び切り美人ということはないけど、恥ずかしいと思われるほど酷くもないはずだけど…
或いは誰かの手前、私と一緒のところを見られたら都合が悪いとか…?
ってことは、この前のあの言葉は嘘ってこと?
独身で、付き合ってる人はいないって言ってたあの言葉…
いや、あれが嘘なんて思えない…!
あの時の照之さんの顔には、嘘なんて欠片さえも感じられなかったもの。
(あ、でも……)
もしかしたら、付き合ってはいないけど、ひそかに好きな人がいて…
だから、私と一緒のところを見られると困るとか…?
そんなことを考えている間に、降りる駅に着いた。
降りて照之さんを探したけど、彼の姿はホームにはなくて…
すると、その時、私の携帯が着信を知らせた。
画面に出ているのは『隠岐照之』の文字。
「は、はい!」
「あ、吉村さん…今日は本当にどうもありがとうございました。」
「こちらこそどうもありがとうございます…ところで、隠岐さん…今、どこにいらっしゃるんですか?」
私は再びあたりを見渡した。
だけど、やっぱり照之さんの姿はみつからない。
「はい、今、市場です。
帰りにちょっと買い物をして帰ろうと思いまして…」
「……そうだったんですか。」
気持ちが沈んだ。
何も言わずに一つ手前で降りるなんて…
悲しいことだけど、やはり、私は避けられてるのかもしれないって思えた。