横顔の君




「良い天気で良かったですね!」

「本当ですね。」



イベントはホールの中だから、お天気は関係ないと言えば関係ないけど、出掛けるのはやはり雨より晴れ渡った日の方が気持ちが良い。
照之さんは、本当にイベントを楽しみにしてくれているのか、とても機嫌の良い顔をしていた。



「人が多いですね。皆、イベントに行くんでしょうか?」

「まさか…あ、もしかしたら、近くでコンサートでもあるんじゃないですか?」

「あぁ、なるほど。
そうかもしれませんね。」

電車は日曜日にしてはすごく混んでいた。
座ることも出来なかったけど、そう遠くでもないし、そんなことは苦にならない。
オープンするのがランチには少し早い時間だったので、お昼はイベント会場で食べようということになった。



「うわぁ……」

駅を降りると、人の多さに圧倒されてしまった。
やはり、電車の混雑の原因はこのイベントだった。
そんなに人気のあるイベントだとは知らなかったからびっくりしたけど、今更驚いたところでどうしようもない。



「すごい人ですね…」

「本当だ…こりゃあすごい。」

照之さんは、驚きながらもその様子をどこか楽しんでる様子だった。



「あ、もう入場してますね。
あそこに並ぶみたいですよ。」

私達は、入場券代わりのパンフレットを持って、列に並んだ。



「本当にすごい人ですね。
人気あるんですね。」

「そうみたいですね。
パンフレットに、とんでもない数のブースの数が書いてあったから、きっとすごいことになってるだろうなって思ってましたが、想像以上でした。
こんなに人が多い所に来たのは久しぶり…いや、もしかしたら初めてかもしれませんよ。」



その言葉を聞いて、本当にそうだと思った。
私も、こんなに人が多く集まるところなんて、今まで来たことがない。
あまりの人の多さになんだか不安な気持ちになっていたけど、照之さんはそんなことは少しもなさそうで、そのことが私をほっとさせてくれた。


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