横顔の君




「ちょっと買いすぎたかな?」

両手に本がいっぱい詰まった袋を下げて、照之さんは満足したようににっこりと微笑んだ。



店員さんの笑顔が良いから、表紙が綺麗だから、あんまり売れてなさそうだから…そんな様々な理由から照之さんは次から次に本を買った。



私はほんの二冊だけ…
タイトルで気に入った『セレスティアル・ブルー』っていうものと、表紙のイラストが可愛かった『幻想曲物語』っていうもの。
せっかく来たんだし、もう少し買おうかなと思いつつ、照之さんの買い込み具合に圧倒されて、私はただそれに見とれてるばかりだった。



気が付けば、もうお昼はとっくに過ぎていて、空腹を感じたけれど、フードコーナーは人がいっぱいでとてもは入れそうになかったから、早めに買い物を済ませて外で食べようってことになって、それからの照之さんの買い込みようはさらに勢いを増した。



「どこかこのあたりのお店で食べますか?」

「そうですね…それでも良いんですが…
吉村さん、この近くに水族館があるのをご存知ですか?」

「はい、知ってます。」

「その近くで食べて、そのついでに水族館も見ていくっていうのはいかがですか?
それともお疲れですか?」

「い、いえ、全然疲れてなんかいません。
そうですね。そうしましょう!」



私が考えていたことを、照之さんの方から言われ、驚きながらも私は素直に頷いた。
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